2014年12月2日火曜日

ダイソーの「スーパーLEDズームライト」の改造。

しょーもない改造です。

常時、弱く点灯させる改造
(100均だけでは不可能な改造です)
(スイッチに10kΩの抵抗器を引っかけたところ)
 

スイッチ側を見ると2つの端子があります。(電池マイナス側が当たるコイル状の端子と、本体の金属リングに接する端子)
この2つの端子間に5kΩ~10kΩ程度のカーボン抵抗を挟むと、スイッチオフの状態でもLEDがじわっと光り続けます
この大きさのカーボン抵抗は100均製品では中々手に入らないと思いますので、通販などで購入する必要があります。
足の長いカーボン抵抗ならハンダ付けは不要、端子に引っかけて、ラジオペンチでひねって固定します。
しかし、フタを開け閉めする時に抵抗器が絡まって外れるかもしれないので、抵抗器をテープか接着剤で固定した方が安全です。
5kΩでエネループ満充電時の場合、夜光シール最大くらいの明かりになるので暗い場所でも分かります。
逆に言えば、「真っ暗じゃないと分からない」程度の光なのでウザったくありません。
スポット(絞り)状態の方が側面がよく光って分かりやすいです。
5kΩだと2か月ほど持つでしょうが、少しずつ電池残量が減っていくため、いざ使用する時には暗くなり長時間は動かせません。
停電時にブレーカーを上げる程度の「短時間用」なら問題ないと思います。
月に1度は点検しつつ充電しましょう。
何か月も放置すると過放電して液漏れするかも。
また、週に1回以上充電するような方は2kΩくらいに明るくしても問題ないでしょう。

暗闇で落としても見つけやすいです。
2kΩにしてエネループで約1.5か月放置したところ、スイッチON時の明るさが5万LUXから1万LUXほどに落ちました。

↓真っ暗な部屋で5kΩ点灯させたところ。
カメラの明るさ設定が悪いので良くわかりませんね。
実際はもうちょっと明るく見えるのですが。


改造して耐久試験

放熱したり、LEDを交換して、耐久試験を行いました。
個体差がひどく、残念ながら意味がありませんでした。


(A) 未改造で接点を研磨しただけの物。
6回目くらいから焼けています
(他に2本ほど測定しましたが、数回の使用で焼けました。)



(B) スイッチを研磨し、LEDの両端(±の足)に銅線をハンダ付けして放熱
無意味でした。
白い中蓋に穴を開けて放熱性を上げています。


(C) 未研磨で、LEDの放熱端子にダイソーのアルミ板を接触させて放熱(放熱グリス無し)
焼けてしまいました。
放熱端子とアルミ板はかなり強く挟み込みましたが、やはりグリスなどが必要なようです。
しかし、ランタイムは普通なのに初回からやたらと暗い個体なので、最初からLEDが不良の可能性が高いです。


(D) 放熱端子にアルミ板を接触させ、間にグリスを塗布
未研磨で中くらいの明るさの個体です。
焼けていませんが、もともと明るくない個体なので良く分かりません。
アイネックス販売のシリコングリス0.62 [W/m・K] を使用しました。


(E) 未研磨で、0.28mmの銅線を束ね、放熱端子にハンダ付け
何故かやたら明るい個体なので焼けやすいです
ハンダ付けはグリスより遥かに熱伝導が良いはずなのですが、残念ながら焼けてしまいました
銅線が細すぎ&配置が悪くて放熱性が悪かったかも。
もしくはLEDの定格を超えすぎて、いくら放熱しても焼け石に水な状況かも。


(F) 抵抗器を4Ωに減らし、放熱端子にアルミ板を接触させて放熱(放熱グリス無し)
当然ながら焼けました。


(G) 抵抗器を2.7Ωに減らし、放熱端子にアルミ板を接触させて放熱(放熱グリス無し)
当然ながら焼けました。


(H) セリアのLED LANTERNの放熱器とLEDをズームライトに移植
接点を研磨、白い中蓋を加工、ニクロム線で制限抵抗2.5Ωに調整しました。
安定してます
明るさは良好ですが、ランタイムが75%くらいに減っています。
このLEDは制限抵抗を減らしても思ったほど明るさが向上しません。
電池ボックスのプラス端子のバネを放熱器に移植するのがちょっと面倒でした。


(I) 実験H(LED LANTERN移植)のライトの接点を再び研磨し、制限抵抗を0.5Ωに減らす
つまりLEDと放熱器は使いまわしています。
20%ほど明るくなりましたが、やっぱり焼けていません
11回目で制限抵抗を0.1Ωまで減らしましたが変化なしです。
(11回目は測定点が少ないので変な曲線になっています)
色々と実験しましたが、100均のみで改造するなら「スーパーLEDズームライト」と「LED LANTERN」を組み合わせる方法が現実的なレベルでしょうか。
未改造品と比較すると、明るさは全体的に1.5倍、実用点灯時間は半分(500分→250分)です。
ちょっと光が青白っぽいです。


(J) 標準のLEDを使用し、アルミホイルとグリスで放熱
研磨しています。
やっぱり焼けてしまいました。実験Bと大差ありません。
市販のアルミ放熱器を使えばマシになるのでしょうが、標準のLEDではこの辺が限界でしょうね。
やっぱり使い捨て製品です。
エネループではなく中国製充電池を使えば、暗い分だけ焼けにくいです。
おそらく標準のLEDは定格0.5W以下でしょう。

2014年12月1日月曜日

ダイソーの「スーパーLEDズームライト」。


2014/11月から近くのダイソーで「スーパーLEDズームライト」が発売されていたので購入しました。
春ごろから出回っており、レビューしている方が多数おられます。
このライトは100円の割にかなり高機能です。
しょせん中国製ライトなので外装のもろさとLEDの耐久性はお察しですが、基本性能は高く、そこそこ実用的です。
ダイソー以外の100円ショップでも似たようなライトを販売しており、少しずつ部品の色や形が違うようです。
ダイソーではオレンジの2種が販売されていました。

↓一番左が「スーパーLEDズームライト」です。
ヘッド(先端)を伸ばしてスポット(絞り)にした状態です。
短くするとワイド(広範囲)になります。


特徴
(1) ちょっとだけ高出力なLED(表面実装型)が1つ使用されていて明るい。
(2014年の時点では)100均ライトの中で最高クラス。
しかしLEDの色温度に個体差があり、白っぽかったり緑っぽかったり黄色っぽかったり。

エネループで何時間か使用するとLEDが焼けていき、少しずつですが暗くなっていきます
即座に焼けるわけではないので、何時間か使えます。

(2) ヘッドをスライドさせてズーム(広範囲)からスポット(集中)まで細かい調整が可能。
ここが一番の特徴ですね。
さらに、レンズ式なので配光が均一で見やすい
デコボコした道を均一に照らせるので、道の形状が良く分かって安全です。
最小スポットはLEDの四角い形がハッキリでるのでカッコ悪いです。
最小スポットは一般的なLEDライトより絞り込みが強い(範囲が狭い)ので、特定の場所だけ照らせます。
遠くを照らす時は狭く明るいスポットに、近くを照らす時は広いズームに・・・と使い分けることが出来ます。
やっぱり個体差があり、摩擦が強くてスライドしにくいもの、逆にスカスカですぐにスライドがズレてしまう物があります。

(3) スイッチは柔らかいとは言えないものの、ゴムカバーのおかげで「ランチャー9」より柔らかく指が痛みにくい。
しかしスイッチ自体が錆や接触不良で、明るさは個体差が大きい
ズームライトに限らず、100均ライトのスイッチはほとんど個体差があります。

(4) プラスチック製なので割れやすいけど軽い。ランチャー9よりちょとデカい。

(5) 側面リングから光が漏れるので、使用者の位置を他人に知らせやすい。
100均ライトには珍しく「夜道用のライト」として適切。
側面リングが発光して自分の位置(手の位置)を知らせる事が出来るため、他のライトより安全です。
視認性は緑よりオレンジの方が良いです。
赤い光は屈折しにくく、遠くまで届きます。
朝焼けや夕焼けの光と同じ原理です。

ちなみにワイドよりスポットの方が側面から漏れる光が多いです。

(6) 分解が簡単。改造や修理も楽。


スイッチの接触不良
私は5台ほど改造してみましたが、うち1台は点いたり消えたりと不安定な動作を見せました。
スイッチを分解してみると内部が錆びていました
メラミンスポンジとヤスリで磨いたら復活しました。
他のスイッチも少しですがスイッチを押すたびに抵抗値が変動しているようです。
磨くと明るさが少し改善しました。
つまりスイッチに個体差があるのです。
100均のプッシュスイッチは、バリや歪みが原因で接触面積が少なく、しかもステンレス製なので接触抵抗が高いようです。
スイッチ全体の抵抗を測定してみると、スイッチを入れるごとに変化し、0.1Ω~4Ωを示しました。
このタイプのスイッチは100均製品で良く見かけます。


スイッチを磨いて安定させる
スイッチを分解してメラミンスポンジや金ヤスリなどで磨く必要があります。
湿らせたメラミンスポンジで擦ると大体取れます。

1. スイッチ内部(↑の写真の帽子みたいな部品)
2. それに接触するステンレスの帯2つ。
3. 電池ボックスが接触する内部のスプリング
4. 電池ボックスの端子すべて

磨けば明るさは上がりますが、ずっと安定するわけではありません
しばらくすると酸化被膜が大きくなって抵抗値が増加します。

とりあえず、最初に1度だけでも錆取りをやっておくと良いでしょう。

改造と耐久試験

別記事 にまとめました。

2014年9月6日土曜日

高性能な殺虫剤「洗剤水」。

洗剤水(洗剤を水道水で薄めたもの)をハンドスプレーに入れて使っています。
虫にただの水道水をかけても死にませんが、洗剤をほんの少し混ぜると強力な殺虫剤に変化します。
洗剤を水道水で50倍~100倍に薄めるだけなので、安くて簡単に作れます。

キッチンや浴室に湧いたコバエも即死です。
夏場の庭の蚊にも使えます。
三角コーナーやゴミ箱を洗剤水で濡らしておくとコバエが湧きにくいです。
色々試すうちに、むしろ虫を殺すのが楽しみになってしまいました。

↓ ハンドスプレー(霧吹き)
できれば、透明なPET製のほうが中の液体が見えて便利です。
霧の大きさを調整出来る物をお勧めします。
庭で大量に殺虫する場合は「蓄圧式スプレー」の方が楽です。
私は工進のHS-401BTという蓄圧式スプレーを使っています。


虫が死ぬ理由

一般的に、虫の気門(呼吸口)は油や毛で覆われており水をはじきます。
また、自力で閉じることもできます。
気門は横腹などの濡れにくい場所に配置されていることが多いです。
雨に濡れて死ぬ虫はほとんどいませんよね。
しかし、洗剤水は油となじむので、虫の体全体に張り付いて窒息させます

自分の手に「ただの水道水」と「洗剤入り水道水」をかけてみると違いが良く分かりますよ。
「ただの水道水」は皮脂によって弾かれて流れ落ちてしまいますが、「洗剤入り水道水」は全体をまんべんなく濡らします。
鏡に洗剤水をつけると、均一に濡れて曇らないのと同じ理屈です。

洗剤水の特徴

(1) ほとんどの虫に効果がある。
蚊、ハエ、ハチ、クモ、イモムシ類、毛虫類、蛾、アリ、アブラムシ、カメムシ、ゴキブリなど、ほとんどの虫に効きます。
しかし、ごく一部の虫(ダニ、カイガラムシ、ナメクジ、ダンゴムシなど)には効きづらいので、やや高濃度にしたり、時間をかける必要があります。
動きの遅い虫は酸素をなかなか消費しないせいか、時間がかかるようです。
卵はバリア状態なので効かない事が多いです。
虫が巨大なほど、高濃度と浸透時間が必要。
逆に言えば、蚊やハエなどの小さな虫はほぼ即死。

(2) 簡単に製作できる。
水道水と食器用洗剤を混ぜるだけ。
台所で作れます。

(3) 材料が安い。
500mL作っても10円以下。
まさに湯水のように沢山使えます。

(4) 噴射方法が選択できる。
スプレー容器次第ですが、(近距離・範囲攻撃)か、ビーム(遠距離・集中攻撃)を選択できます。

「ビーム」は、通常の殺虫剤では届かない遠距離を狙えます。
射程3mくらい。
近付くと逃げてしまうゴキブリを遠距離から狙い撃ち出来ます。

「霧」は広範囲で当てやすいのですが、遠距離からカス当たりさせると、蚊やハエを墜落させるぐらいの攻撃力しかありません。
墜落した虫に追撃して止めを刺す必要があります。
動きの速い虫、小さくて見づらい虫には霧が有利です。

(5) 長期間の作り置きが可能。
時間経過により変質し性能が低下しますが、気にするほどではありません。
カビのような糸状のモヤモヤが浮いてたら新しく作り直してください。
私は1週間に1回くらい作り直しています。

(6) 毒性が低い。
目に入らなければ問題ありません。
風の強い日に「霧」を使うと目に入る可能性があります。
風には注意しましょう。

(7) 容器が自由に選択できるため、お好みで小型化か大容量化ができる。

(8) 後始末が比較的楽。
ただの薄っぺらい洗剤ですから拭き取ればOK。

(9) 乾くまで持続性がある。
台所の三角コーナーやゴミ箱を洗剤水でたっぷり濡らしておくと、「濡れている間は」コバエが湧きにくくなります。
中に潜んでいる幼虫や成虫が死ぬのです。
卵は死にませんが、孵化する時に洗剤水に触れて死にます。
皿洗いのついでに三角コーナーにドバッと洗剤水をかけるだけでOK。
濃度は1/100でも効果があります。
ただしゴミの表面付近は乾燥しやすく成虫のエサになりやすいので、ずっとゴミ捨てしなくて良いという訳ではありません。
また、コバエはゴミ箱や三角コーナー以外の物陰にも卵を産みます。
洗剤水が乾いてしまったら効果はなくなります。

(10) 火気の近くでも使える。
しかし水気があるので電気の近くはダメ。

(11) 虫の体が濡れて重くなるため、動きを封じる効果がある。追撃しやすい。
動きの速いゴキブリでも、水を吸えば遅くなります。
また、飛行中の虫を撃墜できます。

(12) 虫が溺れるほど多く掛ける必要がある。
虫の横腹にある気門(呼吸口)を濡らす必要があります。
人間でいえば、口を塞ぐようなものです。
当たらなければ効果はほとんどありません。
コバエなどの小さな虫なら簡単に体全体が濡れるので気にする必要はありませんが、大きな虫にかける時は気門を意識的に狙いましょう。
虫の横から当てたほうが良いのですが、逃げられたら意味がないので、「とにかく素早く大量にかける」のが一番です。

(13) ガス型スプレーと違って、ガス漏れ警報器に反応しない。

欠点は、物陰に隠れた虫に届きません
市販のガス殺虫スプレーなら「ガスでいぶり出す」事ができますが、こちらは直接かける必要があります。
例えば冷蔵庫の陰に隠れたゴキブリに届きません。

作り方

(1) 水道水

(2) 食器用洗剤
濃度は結構デタラメでも何とかなります。
大きな虫を相手にする場合は濃い目に作ってください。
洗剤であれば石鹸でも洗濯用洗剤でも何でも使えますが、匂いや手軽さのバランスを考えると食器用洗剤が一番でしょう。
酸性・中性・アルカリ性など気にしなくても良いです。

(3) 油  必須ではありません
油を「ほんの少し」混ぜると強力になります。
しぶとい虫を殺したい時だけ油を混ぜてみてください。
油は水と違って揮発しにくいので、虫の気門を長時間ふさぐことが出来ます。
例え逃げられても死にやすいです。
実際に、洗剤と油を混ぜた殺虫剤が市販されています。
キャノーラ油、オリーブオイルなど、洗剤に溶ける油なら何でもいいです。
油を入れた場合、必ずスプレー直前に振って混ぜてください。
油は水より軽いので、しばらくすると浮いて水面に集まってしまいます。
そのため、小まめに混ぜた方が油が分散して効果が高くなるのです。
透明なスプレー容器なら油の様子が見えて便利です。

(4) お湯  必須ではありません
お湯を混ぜると強力になります。
温度が高いほど、洗剤や水分が素早く気門に浸透するからです。
また、ほとんどの虫は体温が40度以上になると死にます。
スプレー容器は60度くらいまでしか耐えられないので、熱湯を直接入れないようにしましょう。



デタラメに作ってもだいたい効きます。
濃すぎても効きます。

水500mL + 洗剤キャップ1~2杯


ペットボトルの「キャップ」は1杯で約7mLです。
キャップの中心部分にある「円形の溝」の部分は約1mLです。
油を入れる場合は1mLぐらいでいいです。

【余った油を除去する方法】
(1) 水、洗剤、油をボトルに入れ、スプレーヘッドを付けて、よく振って混ぜます。
(2) スプレーヘッドを外し、ボトル「満杯」になるまで水を追加します。
(3) 20秒ほど待つと、「余った油」の大部分が水面に集まるので、ボトルを手で圧迫して水面の油だけあふれさせましょう。

↓ 透明なボトルだと油の様子が見やすいです。
 

その他

安全のため、スプレー容器には「洗剤水(殺虫用)」と目立つように書いておきましょう。

洗剤は、固形石鹸や液体石鹸、シャンプー、洗濯用洗剤でも可能です。
ただし製品ごとに濃度が異なるのでご自分で調整してください。

やはり「匂いはもとから断て」という通り、虫のエサとなるゴミを早めに処分して虫が住みにくい環境にした方がいいです。
特にゴミ袋はハエが湧きやすいので、新しいゴミ袋に替えるだけでも効果があります。

全体が濡れるぐらいに多めにかけましょう。
体が大きい虫ほど、動きが遅い虫ほど死ぬまで時間がかかります。

洗剤水と園芸

「害虫の防除」を目的として石鹸や食器用洗剤を植物にかけてはいけません。
農家でなくても違法、非食用の観葉植物にかけても違法です。
「農薬取締法」という法律で禁止されています。

ちなみに、石鹸と同じ成分の農薬が高額で販売されています。悲しいですね。

2014年9月1日月曜日

テープを巻き戻らないようにする改造。

テープが巻き戻って、先端がどこに行ったか分からなくなります。
特に薄いテープほど巻き戻りやすいです。
カッター側を少し改造するだけで巻き戻りを防止できます。
 
テープとカッターの隙間に何か詰めて、摩擦を高めて、テープが空回りしにくくしています。
要するにブレーキです。

↓丸で囲った部分がブレーキです。

↓ウエットティッシュ(不織布)の乾燥した物を折りたたんで、ハサミで適切な長さ・厚みに調整し、テープで貼り付けました。

↓図の位置に設置すると、テープを引っ張るとき(使用時)だけ少し緩んで回転しやすくなります。

ティッシュでもキッチンペーパーでもOKです。
弾力のある素材なら何でも良いでしょう。
厚みと摩擦力のバランス調整だけが問題ですが、一度作ってしまえばずっと使えます。
あまり厚過ぎると回りにくくなってしまうのでバランスを取ってください。
小学生並みの工作ですが、便利になりました。

おまけ
カッター刃の側面に綿棒でを少々塗っておくと粘着物質が付きにくくなり、テープが切れやすくなります。
油は何でもいいです。私はオリーブオイルかシリコンオイルを塗っています。
べちゃべちゃに塗るとテープが汚れてしまうので、薄く塗ります。

2014年8月17日日曜日

スダレで植物用の日除けを製作(水不足とハダニ対策)

プランターでいくつか植物を育てていましたが、ハダニ(害虫)に悩まされていました。
スダレを屋根のように取り付けたところ、ハダニがいなくなりました。
それから5年以上スダレを使用していますが、一度もハダニの被害はありません。

↓ スダレと支柱を組み合わせただけ。
今まではハダニ被害で葉がボロボロになっていました。
スダレを付けてからは青々と茂っています。
(屋根をもう少し低めに取り付けたほうが日陰になりやすいです)


スダレの効果

(1) 害虫が激減する
湿度が上がると害虫の「天敵」が増えます。

(2) 葉焼け防止
直射日光を防ぎます。レンズ効果が起きにくいです。

(3) 泥はね防止
雨をやわらげます。

(4) 水やり回数が減る
日光を防ぎ、しかも雨を通しやすいので、乾燥しにくいです。

(5) 風通しが良いのでカビにくい。
バランスの良い湿度になります。

スダレは日光を半分くらい防ぎ、雨を通します。
「日陰」と「雨」の両方が重要です
どちらも欠かしてはいけません。
湿度を上げることによって、様々な害虫(アブラムシ、ハダニ、サビダニ、ホコリダニ、アザミウマ、コナジラミ、グンバイ)が激減します。
これらの害虫は高湿度だと元気がなくなって卵を産まなくなったり、死んだりします。
また、湿度を上げると害虫の天敵が増えるので、害虫を食べてくれるのです。

ハダニが減る理由

ハダニは湿度100%ぐらいを長期間維持すると産卵数が急激に減少し、さらに幼虫の死亡率が上がる性質があります。
溺れるわけではありません。体調を崩すといった感じです。
40%~80%ぐらいの中途半端な湿度では増殖します。

情報元: ハダニ類の個体群増殖に及ぼす湿度の影響(論文)


逆に、ハダニなどの天敵であるカブリダニ類は高湿度を好み、乾燥状況では生育できません。
例えばハダニを食べてくれる「ケナガカブリダニ」の孵化率は湿度45%未満で0となり、湿度100%で最高となります。
ハダニに対する捕食数も湿度45%を下回ると激減します。

情報元: ケナガカブリダニの発育,増殖および捕食活動に及ぼす湿度の影響(論文)


つまり、100%近い高湿度を維持するとハダニが増えなくなり、逆に天敵が増える訳です。
ネットでは、ハダニが水に弱い(溺れる)というデタラメなコピペ記事をよく見かけます。
ダニ類は少々水に漬ける程度では即死しません。
そんなに弱かったら雨や台風で全滅するはずです。
殺すには、ハダニ用の農薬「マシン油乳剤」のように、べっとりとハダニの体にまとわりつき、「長時間」酸素を遮断して窒息させる必要があります。
最近ではデンプン系の農薬もあります。やってる事は同じですけど。
ハダニが湧くたびに定期的に農薬をまかなければなりません。
時間が勿体ないですね。

ハダニを水道水に漬け込む実験をしたことがありますが、ヤツラの致死率は低く、1時間以上も生き続ける個体がいました。
特に卵は水分を通さないバリア状態なので死にません。
ダニ類は単為生殖が出来るので、メスが1匹でも生き残ればネズミ算式に増えます。
強い水圧をかけても、吹き飛ぶのは成虫だけで卵は剥がれません。
マイクロスコープで見ないと分かりませんが、葉表、葉裏、枝や茎の溝にびっしりと卵が付いており、たとえブラシで擦ってもすべて除去するのは不可能です。

↓ ハダニの付いた葉をスコープで撮影。(30倍で撮影、右下だけ100倍)
溝に大量の卵が付着しており、擦ってもほとんど取れません。
卵はこれでも少ない方です。

この卵は数日置きに孵化します。
例え全滅させても、新たなハダニが風に乗ってやってきます。
直射日光下ではすぐに乾燥するため、いくら霧吹きで加湿しても追い付きません。
まさに焼け石に水。
焼け石に水をかけるのは面倒です。
ならば石が焼けないように日陰を作れば良いのです。

直射日光はどれだけ熱いのか?

夏場の地表面の温度を、放射温度計で測定しました。
測定日・・・9月27日14時、気温30度。

直射日光が当たるプランターの土の表面・・・65~68度
直射日光が当たるプランターの土を2~3cm掘って測定・・・45度
スダレ越しで日陰になった地表面・・・35~40度

明らかな差があります。
直射日光を当てたら乾燥するのは当たり前です。
水不足で蒸散が行われなくなったら葉が焼けちゃいますね。

雨は大事

雨は場合によっては何十時間も降り続けます。
雨の日は湿度が高く曇ってるので、一度濡れると長時間、高湿度を保ちます。
つまり雨は超高性能な葉水です。
これと同じくらいの葉水を霧吹きでやるってのはバカらしいですね。

また、雨は長時間降り続けるので、土全体に浸透します。
しかしジョウロで水やりする場合、表面が濡れるばかりで土全体に浸透しにくいのです。
水は浸透する前に土のごく一部だけを通り、すぐに鉢底からこぼれるので無駄が多いです。
透明なペットボトルに土を入れて水やりして観察してみると良く分かります。
ジョウロで水やりすると土が乾燥しやすいのです。

やっぱり葉水のような「対症療法」よりも、ハダニが住みづらい環境を整えるのが先決です。
匂いは元から絶て。

スダレは「ヨシ」という植物でできています。
スダレの表面が腐ってくると、「コナダニ」という微生物が発生します。
カブリダニなどは、このコナダニを餌にしてたくさん増えます。

バケツで植物を育てる実験

実験的に、バケツに水をためて、その中でアップルミントを夏の間だけ育てました。
直射日光が当たり、常にバケツ内に水がたまっている状態(泥水)です。
しかしハダニが発生しました。
直射日光が当たっていれば、地面が常に濡れていてもハダニが発生するって事です。
ちなみにバケツ内は泥水のせいでドブのようなひどい匂いが漂い、ボウフラが湧いてしまいました。
濡れっぱなしだと大抵の植物では根腐れしてしまうのですが、アップルミントは耐えてくれました。

ハダニは中途半端な湿度ではビクともしない。

情報元: ハダニ類の個体群増殖に及ぼす湿度の影響


ハダニは気温20℃・湿度80%を維持しても勢いよく増えます。
80%ってかなり高湿度ですが平気みたいです。

しかし常に湿度98%を維持すると繁殖率が激減するようです。
ナミハダニは産卵数が少し減り、幼虫期の死亡率が上がって繁殖率が1/2に低下。
カンザワハダニは産卵数が激減し、繁殖率が1/4ほどになります。

この情報元は恒温恒湿槽(こうおん・こうしつそう)を使った密閉型の実験なので、カブリダニなど外部からやってくる天敵の影響がありません。
ハダニ単体での実験です。
実際の環境では湿度80%くらいでも天敵が増えて効果があるはずですが、この実験からは読み取れません。

2014年3月22日土曜日

タミヤの電動ハンディリューター(ITEM 74042)


関連記事: タミヤの電動ハンディドリル(ITEM 74041)

以前購入したタミヤのドリルが結構良かったので、リューターも購入しました。
ドリルを作ったことがあるのに、作成時間40分、調整込みで2時間もかかってしまいました。
作業時間の大部分は筐体削りの寸法調整でした。
ドリルと同じく、ジェットダッシュモーター相当が使用されています。
ドリルよりパーツが少ないので作りやすいです。

個体差かもしれませんが、性能を発揮するには下記の筐体削りが必要でした。

使用感

ギヤは10Tピニオンと36Tギヤがかみ合っているだけなので、回転数が0.27倍、トルク3.6倍とちょうど良いバランスだと思います。
ジェットダッシュのおかげもあって、ダイソーのリューター(変速なし電池4本駆動)よりトルクが強いです。
モーターのカタログから計算すると、回転速度は無負荷で7800rpmぐらいなので、自称22000rpmのダイソーのペン型リューター(電池4本タイプ)に比べると、瞬間的な研削速度は遅くなります。
しかしトルクが高いので途中で止まる事が少なく、実際の削りやすさはダイソー品より上です。

ダイソー品よりこっちを先に買えば良かったと後悔しています。
(ダイソー品はモーターを交換するにも要ハンダ付けで面倒です)

ただしこちらはペンタイプじゃないので、文字を彫るなどの精度の高い作業は向いてません。
穴あけはドリルに任せっきりですが、プラスチックのような柔らかい素材の深さ数mmの小穴なら開けられない事もありません。
ただし高速なので削りかすが飛びます。
削りかす対策は、大きな透明袋をかぶせながら作業してもいいでしょう。
さらに刃に油を付けておくと削りやすいですよ。
 
調整と改造

(1) ドリルと同様に、軸受けをラバーシールベアリング(転がり軸受)に変更。


(2) オレンジ色のギヤと筐体が接触して音がしていたのでカッターで研削。
接触部分にグリスを塗っておいた方が良いです。

(3) モーターと取付具がうまくハマっておらず、モーターが斜めを向いていて、摩擦が起きていました
画像左下の点線部分をカッターで削ると、モーターがうまくハマりました。
(個体差があるので、人によっては削る必要がないかもしれません)
研削前はスイッチオフにすると摩擦によりシューッと音がして即座に回転が止まっていましたが、研削後は摩擦無しで空回りしてゆっくりと止まるようになり、回転数が上がり、摩擦音がほとんど無くなりました。
この部分をキッチリやらないとリューターのパワーを活かす事ができませんし、寿命も減ってしまうでしょう。
このモーター部分は電池と接触する仕組みのため、研削によって電池が少しだけ入りやすくなりました。
タミヤドリルも同様の問題があります。


付属の球状ヤスリタイプのビットは根本が歪んでいるので、軸ブレします。
ついでにビット自体もわずかに曲がっている模様。

2014年3月10日月曜日

タミヤの電動ハンディドリル(ITEM 74041)



関連記事: タミヤの電動ハンディリューター(ITEM 74042)

ダイソーのペン型リューターを使っていましたが、すぐに壊れてしまいました。
そこで、タミヤのドリル「クラフトツールシリーズNO.41電動ハンディドリル」を購入しました。
「ドリル」なので低速回転ですが、高トルク(力が強い)です。

ドリル・・・「ゆっくり力ずくで奥へ掘り進む」感じで、文字を彫るなどはできません。
リューター・・・「高速に表面を削り飛ばす」感じで粉が舞います。

このドリルはミニ四駆のように組み立てる必要があります
ミニ四駆を組み立てたのは小中学生以来なので、懐かしいです。
ニッパー、ラジオペンチ、カッターが必須で、ミニ四駆よりちょっと難しいです。
組立前に作業机を片付けておかないと部品が行方不明になるかも。

重さ

軽いです。
エネループ2本を入れ、付属のドリルをセットした状態で合計138gしかありません。
長時間持っていても疲れません。
ここがこの製品の一番の売りですね。

騒音

結構うるさいです。
放熱用に穴が開いているせいもあって、比較的高めのギュイーンというモーター音がします。
まんまミニ四駆と同じ位です。(同じ構造ですから当たり前です)

基本的にモーターは回転速度に比例して音がうるさくなります。

回転数とトルク

でたらめに計測しましたが、5秒で30回転くらいなので回転速度は360rpmくらいかな?(カタログでは450rpm)
rpm・・・1分あたりの回転数
箱の写真を見るとギヤが10T、10T/36T、10T/40T、40Tが噛んでいるので、速度伝達比は57.6です。
つまりパワーは57.6倍になり、スピードは1/57.6になります。
ドリルを指で止めることができないほど強いトルクです。
しかし、たかだか3Vのモーターなので、大型ドリルのような高速穴開けやドライバー的なネジの開け閉めは出来ません。
小物のプラスチックや柔らかい木材の穴開けなら十分でしょう。
負荷に負けてモーターが止まった状態でスイッチを押し続けると、どんどん発熱して焼けてしまいますので注意して下さい。
掘る、削りかすを取る、掘る・・・を繰り返すと詰まりにくいです。
また、切削油(どろどろした油だったら何でも良い)をドリル刃に塗っておくと、スムーズに削れます。

経年で錆が出てくると接触不良でパワーダウンするかもしれません。
たまに電池のプラス・マイナス端子を磨いておくとパワーが復活するでしょう。
ついでにドリル側の電池ボックスと、スイッチの接点も磨きましょう。
新品の場合は磨いても意味ないですよ。
私はメラミンスポンジを湿らせ、先の細いピンセットで掴んで磨いてます。

アルカリ電池よりニッケル水素充電池の方がパワーが出て有利です。
日本製のエネループをおすすめします。

筐体

ダイソーのリューターより剛性も軸の加工精度もはるかに良いです。
ダイソーのリューターと違い、分解や再組立てしても割れたりはめ込めなかったりしません。
青く、直立するのでその辺に置いていても目立ちます。(ただし安定して立つ訳ではありません)
電池カバーは閉まり具合が良いのですが、カバー爪の部分がちょっと尖っているため、深爪気味の人は取り外す時に指が痛くなります。
私はこの部分をカッターで切り落としました。
電池を入れる部分はエネループだとギリギリの寸法なので、外す時に指では取れません。
電池カバーの角をエネループに引っかけて取る必要があります。
もちろんこの方法はエネループに傷が付きやすいです。
人によってはエネループを取り外す事が出来ないかもしれないので、エネループ以外の細い電池を使用した方が良いかも。

チャック

ドリル刃を掴む部分をチャックと言います。
1mm~2mmと、2mm~3mmの2種のチャックが付属しています。
このドリルのチャックは、「コレット」と呼ばれる金属カバーを被せて回し、締め付けるタイプです。
工具は必要ありませんが、別のチャック径を使いたい場合は交換の手間がかかります。
また、使ってない方のチャックは無くさないよう保管しておく必要があります。
私はダイソーのリュータ用ビット(すべて2.34mm)しか使わないので、大きい方のコレットしか使ってません。
コレットの締め付けが弱いと、ある程度負荷がかかった時に空転してしまいます。

このチャックは綿棒を掴むことができ、研磨に使用できます。
ただしドリルは回転速度が遅いので、それほど研磨速度はありません。

シャフトストッパー」というボタンが側面にあり、これを押すと回転軸が固定され、チャックを回しやすくなって手でコレットを強く締め付ける事が出来ます。
(シャフトストッパーは回転軸の特定の部分の溝にハマって固定される仕組みのため、その溝と合わせるまで軸を少し手で回す必要があります。)

トリガーストッパー(ロック)」はトリガーを引けなくするツマミです。
一応は安全装置として機能します。
ただし、このドリルは内部的にはミニ四駆とほぼ同じスイッチ機構なので、スイッチが歪んでいるとロックしていても回転する可能性があります。
具体的には、トリガーを引いている間だけ銅金具が押し上げられ、電池と接触するように出来ています。
この銅金具が結構な曲者で、私が購入したモノは接触しにくく、離れにくい「ユルユル」状態でした。
ペンチで銅端子を曲げて接触を改善しましたが、これを調整していないと勝手にスイッチON/OFFになる可能性があります。

その他

当たり前ですが、これは低速ドリルなので「高速リューター用のビット」と組み合わせる事はできません。
ドリル溝の切れ込みが違うからです。

プラスチックを削るとドリルにカスがこびり付きます。
これはライターで少々あぶってティッシュで拭いてやると簡単に落ちます。
また、ドリルが穴に詰まってモーターが止まった場合、ドリル本体を逆側に回すと穴から抜けやすいです。
(作業前にドリル刃に油を塗っておくと詰まりにくいです)

いくつか注意が必要な部分がありましたが、総合的に満足しています。
Amazonで1200円でしたのでコスパ良いですね。

改造

(1) パワーダッシュモーターに換装しました。
付属のモーター(ジェットダッシュ相当)との違いは体感できません。

チャックをかなり強めに締めておかないと刃が空回りします。
どちらかというとモーターよりもチャックが刃を掴む力が弱いので、ジェットダッシュやパワーダッシュを使っても活かしきれないような気がする。

(2) 軸受け(1150サイズ)をラバーシールベアリング(転がり軸受)にしました。
標準のプラスチック滑り軸受けと違って、すごく軽く回ります。

(3) モーター取付具にタミヤリューター(別記事)と同じ寸法調整をしました。



筐体に排熱用の隙間が多いため、減音は難しいようです。
ドリルのモーターに付けている標準ピニオンギヤは10Tで、その辺で売ってないようです。
「カーボンギヤ8T」に換装しようと思いましたが歯の数だけじゃなくて直径が違って無理でした。