2016年8月11日木曜日

セリアの「ミニパワーランタン」。

セリアで「ミニパワーランタン」を購入しました。
ランタンと言っても1方向しか照らせないタイプですが、とても明るいです。
黒と茶が販売されていましたが、白もあるようです。

かなり危険な設計となっており、作動確認中にショートして煙を吐きました(後述)。
スライドスイッチ式で、「1LEDの直進光」、「電源オフ」、「4LEDの拡散光」が選択できます。
スライドスイッチなので接触が良くて明るさが安定していますが、しばらくするとLEDが焼けます
小さなスライドスイッチなので「遊び」が少なくて誤操作しやすいです。

横向きにしたり、仰向けにしたり出来ます。
電池ボックスがかなり窮屈でエネループや富士通充電池がキツイです。
電池を圧迫した状態で大き目の電流を流すとマズイので、エネループ系(他の電池より少し太い)はやめた方がいいですね。
もしくは、ニッパーでマイナス端子のバネを少しカットした方がいいでしょう。
持ち手(上部)は、指を掛けづらいです。
これをランタンのように持ち歩くのは難しいです。
仕様
名称ミニパワーランタン
点灯方式1LED(上部点灯、直進光)4LED(下部点灯、散乱光)
連続点灯時間1LED・・・20時間4LED・・・10時間
電源単3 x 3本
サイズ50 x 112 x 35mm
主な材質ABS樹脂、ポリスチレン、スチール
重量電池なしで47g(実測)。エネループを3本入れた状態で125g(実測)。

1LED(砲弾型LED)
φ8~φ9mmくらいの大きな砲弾型LEDで、5.1Ωの抵抗器を介しています。
耐久試験を行ったところ、すぐに焼けてしまいました(後述)。光の中心に黄色が混じっていますが、均一な壁などを照らさなければ違いは判らないでしょう。
2個購入しましたが、全体的な色合いは個体差があります。
「白色」と「微妙に黄色がかった白色」でした。青味は少なかったです。
もともと砲弾型LEDは個体差が大きいので当てになりません。
リフレクタ(反射鏡)の部分が広いので、対面する人が眩しく感じやすいです。注意しましょう。

4LED(SMD)
100均では珍しい表面実装型LED(SMD)が4つ並列になっています。
LEDの寸法は約3mm x 2.5mmくらいでした。
電池満タン時の全光束は40~50ルーメンぐらいです。

100均の中では驚異的な明るさです。

劣化したニッケル水素電池を使って4LEDを点灯したところ、LEDの真裏の基板部分で最大91℃を観測しました。
満タンのエネループを使うと100℃を超えるでしょう。
50ルーメン近い発熱なのに、ろくに放熱してないのでマズイ設計ですね。
4つのLEDのうち、一番下のLEDが最も高温になります。熱の逃げ場がないので。
リフレクタ(銀色の反射プラスチック)は一般的に用いられるアルミ蒸着で、LEDの熱が伝わって熱くなります。
2個購入しましたが、2つとも全く同じ白色でした。こちらは個体差が少ないです。

故障(ショート)
2台購入し、1台目を分解して調べました。
そして2台目(未分解)で耐久試験を行おうと満充電の富士通充電池を入れ、スイッチを下(4LED)に入れました。
すると一瞬だけ4LEDが点灯して消灯、そして1秒くらい経って煙を吐きました
どうやらショートしたようです。
すぐにスイッチをオフにし、カッターナイフの尻尾に付いている金属爪を使って電池を取り出しました。
もしこれが作動確認中でなければ対処が遅れていたでしょう。
このライトはそこそこ密閉性が良く、煙が出るような隙間は電池フタの爪の部分しかありません。

↓青いリード線の損傷が激しいです。
被覆が皮一枚でつながっていますが、銅芯は焼き切れています。

↓故障原因。
よく見ると電池ボックス端子の周りの、黒いプラスチックが少し変形していました。
写真 (+) の周囲です。電池3本のうち、真ん中の電池のプラス端子です。

おそらく次のような順序でショートしたものと推察されます。
(1) 電池のプラス端子が、カーボン抵抗のマイナス側の足に接触
(2) カーボン抵抗のマイナス側は、青いリード線を介して電池マイナス端子に接続されているので直通して発熱し、煙を吐いた。

この製品は、筐体内の隙間が少なく、リード線などが空中配線でギリギリ詰め込まれています。
電池ボックスの端子とカーボン抵抗のリード線などが接触しやすい欠陥構造です。
スイッチは関係なく、電池を入れた瞬間に焼け始めたようです。
電池を取り出して正解でした。
1台目を再度分解したところ、該当の電池ボックス端子は折り曲げられており、カーボン抵抗も離れた場所にあったので問題にならなかったようです。
もしこのランタンに衝撃を与えると、カーボン抵抗がズレて接触しショートする可能性があります。
使う前に分解して、電池ボックス端子をテープで覆って絶縁した方がいいでしょう。
(LEDの発熱により、テープの粘着剤が溶けてズレる可能性があるので、接着面積を多めにした方がいいです)
また、1LEDの足が中途半端に曲がっているので、こちらもテープで覆いましょう。

照度測定と耐久試験
スライドスイッチ式で接触が良いので、測定前に錆落としなどは行っていません。
電池は、新品購入して数回しか使用していない富士通充電池(HR-3UTC)を使用しています(エネループと同等です)。
満充電後、スイッチONにした状態で1本あたり1.42vくらい出てました。
照度計のセンサーに密着させて測定しています。
グラフのルクス値(縦軸)は100倍して読んでください。(単位を間違えました)

1LED・・・初回から焼け始めています
砲弾型LEDは個体差が大きいので、このグラフは当てにならないかもしれません。
焼けたのが分かり切っているので測定を途中で省略しました。
明るさが50%に落ちるまでのランタイムは17時間です。

4LED・・・明るさが低下してランタイムが伸びています
スイッチは焼けてなかったので、LEDが焼けています。
SMD x 4個でも、さすがにこの明るさでは耐えられないようです。
明るさが50%に落ちるまでのランタイムは5時間です。 

写真
↓パッケージ裏

↓左からディフューザ(光を拡散する部品)、透明カバー、電池フタ
分解は、#1サイズのプラスねじ3本を外すだけ。